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「出産と子育て」に関する記事一覧

ルポ 産ませない社会
ルポ 産ませない社会 大胆な題名だが、嘘ではないのかもしれない。出産や育児に関わる女性や医師からの聞き取りを中心にした本書を読んで思った。  浮き彫りになるのは妊娠した女性たちの疲弊した現状だ。第一子の出産を機に四割の女性が「出産退職」し、「妊娠解雇」「育児退職」も少なくない。それを恐れ妊娠を先延ばしにすれば、ハイリスクな「高年齢出産」が待つ。「育休三年」で解消する問題とは言えない。  出産や医療の現場にも根深い歪みがある。産婦人科医や助産師の人手不足、病院の経営重視などから、必要ない「帝王切開」の比率が年々上昇。産業のように「ベルトコンベア化」されたお産に、携わる者も辟易している。病弱な乳幼児のケア、母親の育児放棄や虐待も大きな課題だ。  根底には、核家族化や職場の理解不足による妊婦の孤立がある。最終章では、デイサービスと保育所を一体化させた施設や子持ちの女性だけが所属する事業部が紹介される。未来を変えるのは、互いの困難を他人事にしない姿勢だ。「産める社会」への道はまだ閉じていないと感じる。

この人と一緒に考える

日本人女性に多い? 卵巣内が“チョコレート状”になる子宮内膜症
日本人女性に多い? 卵巣内が“チョコレート状”になる子宮内膜症 1970年代、卵巣がんにかかる日本人女性は世界で最も少なかった。それが昨今、急激に増えている。その背景に、「子宮内膜症の一種で、卵巣内に子宮内膜が増殖してチョコレート状になる『チョコレート嚢胞(のうほう)』が関係している」と話すのは筑波大学病院産婦人科教授の吉川裕之医師だ。

特集special feature

    「同じシングルマザーなのに…」格差が生まれる理由
    「同じシングルマザーなのに…」格差が生まれる理由 結婚していない男女の間に生まれた非嫡出子の遺産相続分を、嫡出子の半分と定めた民法が違憲という判決が下された。これにより今、注目されつつある「事実婚」という家族の形。だが家族・家庭のあり方に関する社会の「不寛容」に悩まされているのは、事実婚の人々だけではない。
    桜宮高校体罰「自殺」事件 初公判で公開された“殴り続け”映像
    桜宮高校体罰「自殺」事件 初公判で公開された“殴り続け”映像 昨年12月、大阪市立桜宮高校のバスケットボール部のキャプテンだった男子生徒(当時17歳)が体罰を苦にして自殺した事件で9月5日、男子生徒への傷害と暴行の罪で起訴された当時の顧問教諭、小村基(はじめ)被告(47)の初公判が大阪地裁であった。起訴の決め手になったともされる「ビデオ映像」が公開され、法廷に戦慄(せんりつ)が走った。
    事実婚夫婦 不妊治療「助成できない」と区役所
    事実婚夫婦 不妊治療「助成できない」と区役所 制度にのっとった典型的な家族じゃない。そんな理由による社会的な差別が、相も変わらず続いてる。結婚していない「事実婚」夫婦の間に生まれた非嫡出子の遺産相続分を、嫡出子の半分と定めた民法に違憲判決が下され、制度はひとつ前進したかのようにみえる。だが相続以外でも、事実婚夫婦にとって不公平な制度はまだある。
    卵子凍結しても使わない? 独身女性へ凍結容認もジレンマ
    卵子凍結しても使わない? 独身女性へ凍結容認もジレンマ これまで不妊治療中の既婚女性などに限って認められてきた卵子凍結。これが8月に、健康な独身女性にも認められる方針へと変わった。しかし、この方針は必ずしも少子化改善につながるというわけではないようだ。東京都渋谷区の「はらメディカルクリニック」では2010年から約2年間、独自のガイドラインや倫理委員会を設け、未婚女性の卵子凍結を行ってきた。これまで170人から希望が寄せられ、32人が凍結したが、卵子を解凍、利用した女性は一人もいないという。

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