古田真梨子 号泣必至の卒園ソング「さよならぼくたちのほいくえん」 新沢としひこの歌が大人にも響く理由 新沢としひこの名前を知る人は、たぶんそう多くない。けれども歌を聞けば、ピンとくる人はたくさんいるだろう。たとえば「さよならぼくたちのほいくえん」。多くの幼稚園、保育園の卒園式で歌われ、その歌詞に、姿に、親は涙する。新沢が作る子どもの歌は、大人をも夢中にさせてきた。いつの時代も変わらない子どもたちのために、思いを込めて歌う。AERA 2024年3月18日号「現代の肖像」より。新沢が歌うオリジナル動画も一緒にお送りする。 現代の肖像 3/15
大道絵里子 純烈リーダー・酒井一圭「あの時の俺は天才だった」 グループ結成のきっかけとなった大けが 純烈リーダー、酒井一圭。「あばれはっちゃく」で主演デビュー後、ガオレンジャーになり、プロレスラーになり、クラッシャーカズヨシになり、そしていま、スーパー銭湯アイドル「純烈」のリーダーとして年間300近いステージに立つ。運に流されるだけでなく、常に自分を客観的にプロデュースし、熱意で周囲を巻き込みながら裏方としても仕掛け続けている。 現代の肖像 3/8
同じ名前が250人“タナカヒロカズ運動” 田中宏和が同姓同名のつながりを意識した“運命”の日とは 一般社団法人「田中宏和の会」代表理事、田中宏和。名前が同じ人たちとのつながりを楽しみつくす「タナカヒロカズ運動」を続けて二十余年。今や250人の会となった。一度はギネス世界記録も打ち立てた。すぐにセルビアでの記録に抜かされたものの、同国のチームと「国際同姓同名連盟」も立ち上げた。「運動=自分」と公言する熱量で、些細なことでも人は楽しくつながれることを、真面目に遊びながら実証し続けている。 現代の肖像 3/1
「勝つためだけだったスポーツが人生を豊かにするものに」 女子100mハードル・寺田明日香の強さ 女子100メートルハードルで日本選手権3連覇、元日本記録保持者でもあり、東京五輪出場も果たした寺田明日香。小学生のころから陸上選手として成績を残したが、心身のバランスを崩し、摂食障害、無月経、骨粗しょう症に。勝つためだけだったスポーツが、今は人生を豊かにするものへと変わった。寺田の真の強さはここにある。 現代の肖像 2/23
吉井妙子 ウィーログは「世界一温かい地図」 車いすユーザーの世界を広げる織田友理子 一般社団法人「WheeLog」代表理事、織田友理子。難病の遠位型ミオパチーを患う織田友理子。22歳で診断され、現在は首から下が自分の意思では動かせない。その織田は、バリアフリーマップアプリ「ウィーログ」を立ち上げ、講演も、海外での活動もこなす。驚くほど行動的だ。それは、自分と同じような障害者が少しでも幸せに暮らせる世界にしたいから。常に行動に移し、制度に風穴を開ける。 現代の肖像 2/16
『であすす』著者・花田菜々子が、話題の書店「蟹ブックス」を立ち上げるまで 小さな独立系の書店が人気だ。「蟹ブックス」もその一つ。2022年に花田菜々子が東京・高円寺で開店した。人の話を聞くのが好きで、場の空気をとらえるのもうまい。それでも、居心地のいい場所が見つかりそうになっては失った。未知なる出会いを求めて、世界を広げていく花田が、ここからどんな道を進むのか。誰も分からないから楽しい。 現代の肖像 2/9
2割が外国籍の群馬県大泉町の町長・村山俊明 票にならなくても外国籍の住民のために奔走する理由 群馬県大泉町。群馬県でもっとも小さい自治体が注目を集めている。人口の2割、5人にひとりが外国籍で、51カ国の人が暮らす。そんな町を「俺の町」と呼び、票にならない人のために走り回る町長がいる。村山俊明だ。一筋縄ではいかない多文化共生と地場産業の活性。賛否両論ありながらも、自らの信念で刺激的な政策を進めている。 現代の肖像群馬県村山俊明 2/2
「サンクチュアリ -聖域-」「幽☆遊☆白書」――なぜ坂本和隆はNetflixで世界でヒットする作品を作れるのか Netflixコンテンツ部門バイス・プレジデント、坂本和隆。「全裸監督」「今際の国のアリス」「First Love 初恋」「サンクチュアリ -聖域-」と、すべてがNetflixで大ヒット。坂本和隆はこれらの作品のエグゼクティブ・プロデューサーでもある。いくつもの壁を乗り越えて作り上げた作品ばかりだ。日本のエンターテインメント業界に強い危機感がある。世界で勝負できる作品を作る。そして日本にその力はあると信じている。 現代の肖像 1/26
専業主婦だった39歳からギャルの聖地を経て社長へ ドムドムフードサービス社長・藤崎忍 ドムドムフードサービス代表取締役社長、藤崎忍。1990年代に全国約400店を展開したドムドムハンバーガー。その後、経営不振にあえいだが、今、人気が再燃している。カニ一匹を使った「丸ごと!!カニバーガー」のようなメニュー開発に加え、ぞうのキャラクターの商品化など話題に事欠かない。この成長を牽引したのが、社長の藤崎忍だ。専業主婦から社長になるまでに何があったのか。その人生を追った。 現代の肖像 1/19
Xのフォロワー数26万超え、駐日ジョージア大使ティムラズ・レジャバはどのようにして大使になったのか 今、最も日本で有名な「駐日大使」といえば、ジョージア駐日大使のティムラズ・レジャバの名前が挙がるのではないか。X(旧Twitter)のフォロワー数は26万超え。ジョージアだけでなく、妻が作ったお弁当や親戚の子どもたちまで登場する。レジャバが父の仕事で来日したのは4歳のとき。日本には思い入れも強い。まさにジョージアと日本の架け橋となっている。 現代の肖像 1/12
サンクチュアリ主演・一ノ瀬ワタルの本当の強さ「格闘技より芝居のほうが自分に合ってる」 俳優、一ノ瀬ワタル。間違いなく、2023年の顔だ。Netflixドラマ「サンクチュアリ-聖域-」で力士・猿桜(えんおう)を演じて大きな話題となった。元キックボクサーということもあり、強面の迫力のある演技が強烈な印象を残す。だが、素顔はピュアで優しくて、ウサギ好き。強い男性に憧れる。けれども、戦うことは好きではない。一ノ瀬の生き方は、本当の強さとは何かを考えさせられる。 現代の肖像 1/5
「deleteC」や「注文をまちがえる料理店」の仕掛け人・小国士朗の企画の立て方 もし「がんを治せる病気にしたい」と持ち掛けられたら。「高齢者とサッカーをかけあわせたい」と相談されたら。小国士朗はそんな相談を持ち掛けられた時、斜め方向から企画を立ち上げる。人の営みが感じられる、温かいアイディアばかりだ。世の中の役に立つと分かっていても、人は簡単には動けない。でも、人が動きたくなる仕掛けがあれば、社会は変わっていく。 現代の肖像 12/22
父の高座にあこがれ、弟子入りまでに1年半 講談師・一龍斎貞鏡の誕生秘話 講談師、七代目一龍斎貞鏡。今年10月、講談界に新たな真打が誕生した。父の高座姿にあこがれ、この世界に入った七代目一龍斎貞鏡だ。父を師匠に、古典講談を叩きこまれた。その師匠が2021年に急逝。落ち込み、眠れぬ日々から立ち直っての真打昇進だった。高座をおりたら、4児の母になる。父から受け継いだ美しい高座と子どもたち。どちらも命がけで守りたい。 現代の肖像 12/1
人生を終えるその日まで、その人らしく過ごせる拠点を ほっちのロッヂ共同代表・藤岡聡子 ほっちのロッヂ共同代表、藤岡聡子。2020年に軽井沢に開業した診療所「ほっちのロッヂ」は、「好きなことする仲間として、出会おう」が合言葉。死にゆく人は弱い存在ではない。人生を終えるその日まで、その人らしくなれる生命の表現があると藤岡聡子は信じている。小学校6年生のときに亡くした父の「最期に何ができたか」を、今も探している。その渇きが、藤岡の原動力となっている。 現代の肖像 11/24
川口穣 「心臓移植で子どもたちを救いたい」と法整備・改正にも奔走 福嶌教偉 1997年に日本で臓器移植法が成立したが、その後もほぼ一貫して増え続けてきた心臓移植待機者。それが、2022年後半以降、減少に転じている。臓器提供者が増え、新規登録者を上回り始めたのだ。社会を変えた一端は、千里金蘭大学学長・国立循環器病研究センター移植医療部客員部長・福嶌教偉の熱意と活動だ。約200人もの移植やその後のフォローに関わる一方で、患者の命を救うため、国会議員に訴えかけ、法整備を実現させてきた。 現代の肖像 11/17
戦略と分析で“奇跡の当選”に導く 勝率7割超の選挙プランナー・松田馨 選挙プランナー、松田馨。選挙関係者に引っ張りだこの選挙プランナーがいる。松田馨は、300以上もの選挙に関わり、多数の新人候補を勝たせてきた。ギリギリまで戦況を分析し、時には斬新なアイデアで選挙を導く。候補者の人生がかかる戦いは必ず当選させなくてはいけない。当選させるためなら土下座も辞さないと熱い思いを語りながらも、いつもニコニコと笑みを絶やさない名参謀を追った。 現代の肖像 11/10
中村千晶 世界のベストバー100選出のバーテンダーが作る至福の一杯 ロジェリオ 五十嵐 ヴァズ スモールアックス取締役・Bar TRENCH チーフバーテンダー、ロジェリオ 五十嵐 ヴァズ。世界のベストバーにも選ばれる「Bar TRENCH」は、日本でもあまり知られていなかったアブサンやビターズをいち早く取り入れた。ロジェリオ 五十嵐 ヴァズは、チーフバーテンダーとしてシェイカーを振る。ブラジルに生まれた日系ブラジル人3世。シンプルな中に遊び心をプラスしたカクテルに加え、優しい笑顔と、どこか捉えどころのない魅力にひかれた客が、今日も訪れる。 現代の肖像 11/3
団地に介護施設 自ら住み“どんなに困ってもなんとかなるまち”に ぐるんとびー代表/NPOぐるんとびー理事長・菅原健介 ぐるんとびー代表/NPOぐるんとびー理事長、菅原健介。2015年、菅原健介は団地に介護施設を開設した。自ら同じ団地に住みながら、365日、地域の住人としても利用者を見守っている。見据えるのは、十数年後に「高齢化の大津波」を迎える日本。どうしたら、私たちは幸せに生をまっとうできるのか。熱い気持ちで動き続ける菅原は、時に理解を得られず、ネットでの「炎上」も経験。でも、対話を重ね、未来を考えたい。 現代の肖像 10/27