プロ野球選手の「走り込み」は古い? 岸孝之、涌井秀章、そしてイチロー氏に通じる“大切なこと”
楽天・岸孝之が8月6日のオリックス戦(京セラドーム大阪)で7回2安打1失点と好投し、今季3勝目をマーク。通算173勝に到達した。 これで巨人・桑田真澄らに並ぶ歴代39位。楽天移籍後に70勝を加え、西武時代の103勝と合わせて2球団で70勝以上をマークした。パ・リーグの2球団で70勝以上を挙げた投手は史上初となった。 41歳になった今も、先発投手として第一線に立つ。その岸が長年、変えずに続けてきたものが「走り込み」だ。 ウエートトレーニング、体幹トレーニング、動作解析、最新機器を使ったコンディショニング。プロ野球のトレーニングは、科学的なアプローチを取り入れながら大きく変化してきた。 かつて投手の鍛錬といえば、走り込みが当たり前だった。 だが今では、ただ長い距離を走ることよりも、筋力や瞬発力、可動域などを数値化し、自分に必要な能力を効率よく高めていくことが重視される。そんな時代にあって、岸は「走る」ことを自らの調整法の土台としてきた。 もちろん、最新のトレーニングを否定しているわけではない。必要なものは取り入れる。それでも、走ることはやめない。 西武時代から続けている「走り込み」について岸は「この世界でやっていく上で一番信じてるところ」と話している。 走り込みそのものが正しいか、ウエートトレーニングのほうが優れているか。そんな単純な話ではない。 自分の身体に何が合うのか。それを探し、見つけ、信じて続ける。そして、結果が出ても出なくても続ける。 その先に、現役生活20年という道ができ、173勝という数字が残った。 同じことは、岸と西武、楽天でチームメートだった中日・涌井秀章にも通じる。 涌井もまた、長い現役生活の中で「走る」ことを大切にしてきた。トレーニングの流行に合わせて自分を変えるのではなく、自分の身体と対話しながら、自分に必要なものを選んできた。 両者を知るプロ野球OBは、岸と涌井についてこう話す。 「これだけ長くプレーしていることで、自分がやってきたことの正当性を証明している。今のトレーニングが間違っているわけではない。ただ、自分の身体に合うものを見つけて、それを続ける。岸も涌井も、それをやってきたから長く現役を続けられているんでしょう」



















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