

大友博
プロフィール
大友博(おおともひろし)1953年東京都生まれ。早大卒。音楽ライター。会社員、雑誌編集者をへて84年からフリー。米英のロック、ブルース音楽を中心に執筆。並行して洋楽関連番組の構成も担当。ニール・ヤングには『グリーンデイル』映画版完成後、LAでインタビューしている。著書に、『エリック・クラプトン』(光文社新書)、『この50枚から始めるロック入門』(西田浩ほかとの共編著、中公新書ラクレ)など。dot.内の「Music Street」で現在「ディラン名盤20選」を連載中
大友博の記事一覧




第71回 エリック・クラプトン セッション・ワークス #3
1980年代初頭、完全にアルコールを断つことを決意したクラプトンは、その後、克服に努める過程で自身のレーベルを立ち上げ、あらためて意欲的な姿勢で創作活動に取り組むようになっている。この時期、時代の寵児でもあったフィル・コリンズにプロデュースを依頼し、ライヴなどでも共演したことはすでに書いた。難しい時代を乗り越えるための起用だったのではないかと思うのだが、その一連の仕事への返礼という意味もあったのか、彼が1989年に発表したアルバム『…バット・シリアスリー』にクラプトンはゲスト参加し、素晴らしいプレイを聞かせている。曲は、全米チャートで3位まで上昇するなど、シングルとしても大きなヒットを記録した《アイ・ウィッシュ・イット・ウッド・レイン・ダウン》。





第66回 『クロスローズ・ギター・フェスティヴァル』エリック・クラプトン他
このWEB連載で、すでに何度か触れてきたクロスローズ・ギター・フェスティヴァルを、提唱者/主催者のクラプトンは、2004年夏にスタートさせている。第一回目の会場は、テキサス州ダラスのコットン・ボウル・スタジアムと隣接する公園。07年夏の二回目と10年夏の三回目は、シカゴ郊外のサッカー・スタジアム、トヨタ・パーク。そして13年春の第四回目は、ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデン。つまり3年に1回のペースで行なわれてきたわけで、これは、21世紀を迎えてから彼がもっとも熱心に取り組んできたプロジェクトといえるだろう。

第65回 『オールド・ソック』エリック・クラプトン
2011年の夏、ロンドンでインタビューしたとき、クラプトンは、『クラプトン』につづくスタジオ録音作品の方向性について、「カントリーか、カリビアン」といった意味のことを語っていた。その後、彼は、80年代以来のダック・レコード制作/発売元ワーナーというシステムをいったん解消。新たに立ち上げたブッシュブランチ・レコードを拠点に創作を行い、インディーズ系のサーフドッグに発売を委ねることを決めた(サーフドッグの契約などの関係で、結果的にはユニバーサル・グループからのリリースとなっている)。ちなみに、ブッシュブランチは、個人事務所の名前として以前から使われてきたもの。より自由なスタンスでの創作を意図しての再出発でもあったのだろう。
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